失われた歯の治療案内

インプラント

まずは欠損治療の中でも、機能性に優れたインプラントについて紹介します。

インプラントとは

インプラントとは、歯の失われた部位に人工歯根を埋め込み、歯冠をかぶせる治療法です。天然歯と同等の審美性と咬み合わせを再現できます。

天然歯と同様の審美性や咬み合わせをしっかり再現するために綿密な治療計画をたてます。当院ではCGで完成予想図を作成することで、治療の精度を高めています。

外科的治療が必要です

インプラント治療は外科手術が必要です。インプラントの人工歯根を歯槽骨（しそうこつ）に埋め込みます。当院では外科の手技に長けた口腔外科医が執刀します。

通常は部分麻酔でインプラント治療を行いますが、静脈内鎮静法という全身麻酔も対応可能です。麻酔でうとうとしている間に処置が終わるようなイメージで、日本歯科麻酔学会の専門医が麻酔を担当します。(日帰り）

外科手術ですので、高齢の方、全身の状態や骨の状態にが条件に満たない方は、治療を受けられない場合がありますので担当医までご相談ください。

治療期間と治療費用

インプラントを長くご利用いただくために

インプラントは虫歯になりませんが、インプラント周囲炎になるとインプラントを失う可能性がありますのでご注意ください。

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲で起こる歯周病と似た症状のことです。初期はインプラントと歯肉の間に汚れがたまり、自覚症状が少ないです。やがて症状が進行すると、歯肉が腫れ、出血し、歯周ポケットが深くなるとインプラントがぐらぐらしていきます。

インプラントを長くご利用いただくためには、定期的なメンテナンスやクリーニングの受診をお勧めします。

ブリッジ

ブリッジは、インプラントと同じようにお口の中に固定できるタイプの欠損治療です。外科治療が必要ないため、インプラントよりも多くの方に受けていただける治療法です。

ブリッジとは

ブリッジとは、失った歯とその両隣の歯を連結してかぶせ物をする治療です。固定式のため、お食事時も外れることを心配せずに楽しめます。

周囲の歯への影響

ブリッジ治療では、失った歯の両隣の歯を削り、土台にします。土台の歯には負担がかかり、将来的に歯根破折のリスクがあります。

保険適用のブリッジ治療

保険適用のブリッジ治療は安価ですが、経年劣化により様々なリスクがあります。

メタルボンドのブリッジ治療

メタルボンドのブリッジは、内側に金属が使われています。金属で補強するため、歯の欠損本数が増えても適合が良好です。
また、ブリッジの外側には着色や変色がしづらいセラミックが使われているため、審美的なのが特徴です。

ジルコニアのブリッジ治療

ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれる硬くて丈夫な材質です。メタルボンドに比べて歯を削る量も少なくできます。

当院ではジルコニアの治療をする際、セレックシステムという治療設備を使用します。高精度な口腔内3Dスキャナーでお口をスキャンしてブリッジを設計するため、従来の型取りが不要です。

接着性ジルコニアのブリッジ治療

通常のブリッジ治療は欠損した歯の両隣の歯を削りますが、接着性ジルコニアのブリッジ治療では隣の歯の裏側のみを削ります。治療に際して歯を削る量を抑えられるのが一番の特徴です。

また、ジルコニアの治療のため、見た目も審美的です。

ただし、好条件を満たした一部のケースのみでの適応となります。

オーダーメイド義歯

次に、オーダーメイド義歯について紹介します。

オーダーメイド義歯とは

義歯とは、入れ歯の正式名称です。ご自身の身体のようにしっかり機能する義歯を作成します。当院では義歯専門の歯科技工士が調整を重ねて、外れづらく咬みやすい高水準な義歯を製作します。（保険適用外）

義歯のリハビリと調整

当院ではリハビリ用の入れ歯を使って何度もご自身の歯として機能するように調整を繰り返して完成させます。治療には義歯専門の歯科技工士が参加します。

義歯のフィット感、咬み合わせ、顔貌、発音、痛み、外れやすさなどを調整して、全ての調整が完了したら最終的な型取りをして完成となります。

強度（破折しづらさ）や熱伝導（暑いもの冷たいものの感触）も他の入れ歯と比べると優れています。

※デメリットとして、リハビリ治療中に義歯をはめることによる痛みを伴う場合があります。

※数か月にわたる通院が必要です。

入れ歯

最後に、入れ歯治療について紹介します。

入れ歯治療は通院回数も少なく、最短約1か月でできます。取り外しができるため、清掃性が高いのも特徴です。

ただし、噛む力などの機能性は低く、破折のリスクもあります。

ばねで固定する保険適用の入れ歯

ばねで固定するタイプの入れ歯は、保険適用のため安価ですが、食事や発音の際の安定感や違和感という点では課題が多い治療法です。

ノンクラスプデンチャー

入れ歯が目立つのは、入れ歯を固定するための金属のフックがどうしても目立ってしまうからです。そうであれば、そのバネを目立ちにくくすれば気にならなくなります。

そのようなコンセプトで製作されたのが、「ノンクラスプデンチャー」と呼ばれるものです。

従来のように、入れ歯を固定する装置はあるのですが、それを金属ではなく、歯肉の色になじむピンク色の樹脂を利用することで目立ちにくくしています。

保険適用の入れ歯と比べると、比較的外れづらく、適合性が高いのが特徴です。